TVアニメ『天官賜福』第7話解説


TVアニメ『天官賜福』第7話より

行き倒れを装った傀儡に襲われた太子殿下。

その傀儡が「半月関」から来たともらしたことから、太子殿下は三郎と、そして再び助っ人として地上に降りてきた南風、扶揺とともに、200年前にはオアシス国家があった半月関へと向かいました。

その途中、一行は何者かに襲われ、太子殿下は竜巻によって天高く巻き上げられてしまいます。

『天官賜福』第7話あらすじ

空中に巻き上げられた太子殿下が、腕に巻いた法器「若邪」を「頼れるものをつかめ」と伸ばすと、若邪さんは三郎をつかんで引き寄せました。

空中でいちゃつく2人。三郎が行動をともにするようになってからというもの、2人のいちゃつきシーンが毎回挿入されますね。

しかたなく若邪で三郎と自分をしばって密着させ、こんどは「人以外」と若邪を伸ばすと、若邪さんは次に南風と扶揺をつかんできました。

若邪さんは3度目にしてやっと岩をつかみ、4人は地上に降りることができます。そして、その巨岩にあいた洞窟に入って砂嵐を避けるのでした。

太子殿下は襲ってきた2人組のうち一人は、すでに滅んだ半月国の国師だと推測します。

洞窟はもともと遊牧民の半月人が砂嵐を避けるために掘ったもの。4人が洞窟を奥に進んでいくと、そこには砂嵐を逃れた商人たちが寄り集まっていました。

太子殿下が休もうと腰掛けた石は石碑で、半月文字による碑文が記されていました。

半月文字を少し読めるという太子殿下と三郎が読んでいくと、石碑は「将軍」を顕彰したもの。

その人物は実際には将軍ではなく、校尉つまり部隊長でした。敵にも味方にも民衆の殺害を許さなかったためどんどん降格していき、最後には戦場で転んで敵味方に集団で襲われて命を落としました。

そんな奇特な兵士を半月国の人々は「将軍」として祀ったようです。

そして三郎は言います。石碑には不思議な力が宿り、三度跪いて拝めば砂漠を安全に通れるのだと。

そこで商人たちはそれに従い石碑を礼拝しました。しかし、それは「将軍」の死に様を笑った商人たちを跪かせるためについた三郎の嘘でした。

と、そこにコブラ風の蛇が現れ襲いかかります。それを難なく掴む三郎。その尻尾には蠍のような毒針。

それは半月国に生息するという蝎尾蛇で、半月国の国師半月妖道は、蝎尾蛇を操って国師になれたのだとか。

そこに思い至った太子殿下は、商人たちに洞窟から退避するように命じます。

はたして、洞窟には大量の蝎尾蛇が現れ、一同は囲まれました。

南風と扶揺は、なろう系でよく見るファイヤーボール的な方術で血路を開き、一同は洞窟の外に逃れることができました。

ところが、商人の一人が蛇に刺されて毒を受けてしまっていました。

砂漠の案内人阿昭は、蝎尾蛇の毒を受けると二刻以内に必ず死ぬと言います。南風は延命薬を与えたものの、それでも保つのは1日だけ。

すると三郎が善月草という薬草を与えれば助かると言い出しました。

しかし、善月草は半月国の領内、つまり鬼が出るという半月関に生えているのでそうやすやすと取りには行けません。

半月妖道の関与を疑った太子殿下が、天界の霊文に方術通信で連絡を取ろうとすると不通。南風と扶揺に試させても不通で、どうやらジャミングがかかっているようです。

すると、物陰から蝎尾蛇が飛び出して、三郎を襲います。太子殿下はとっさにつかんで止めますが、しっぽで刺されてしまいました。

三郎は毒を受けた部分を切り開き、毒を吸い出します。

でもそんなんで毒を無効にできるなら苦労はありません。ていうかまがりなりにも神様の太子殿下にも毒は効くんですかね?

太子殿下は扶揺を商人たちのボディガードに残して、阿昭の案内で善月草をとりに行くことに。それは阿昭を怪しんでのことでもありました。

半月国の廃墟に到着した一行。するとそこに、砂漠で太子殿下を襲った2人組が現れ…

『天官賜福』第7話の解説

いろいろ忙しかったこともあり、『天官賜福』の記事をさぼっていましたが、継続する気はあります。

さて今回、一介の兵士が「将軍」として祀られているシーンがありました。

閩南およびその影響が強い台湾道教では実際に生前は将軍ではなかった人物が「将軍」として祀られることがあります。

例えば、台湾でも特に人気がある七爺謝將軍、八爺范將軍。

七爺八爺はともに衙門の差人。警察官というか、江戸時代の同心のようなものでした。謝將軍の生前の名前は謝必安、范將軍は范無救といいます。

2人はある日護送中の犯罪者に逃げられ、手分けして探すことにしました。

そして橋の下を待ち合わせ場所にします。

待ち合わせ時間になり、范無救が橋の下で待っていると突然皮が増水して溺死してしまいました。

それを知った謝必安は首をつって自殺しました。

2人のことを知った玉皇大帝は2人を神として、城隍爺配下の捕吏としました。



上七爺謝將軍、下八爺范將軍:台北市青山宮

なんで七爺八爺なのかというと、城隍爺のもとで地上の悪霊を引っ捕らえる役割をもつ捕吏軍団「八家将」の第7席第8席だからです。

また、台湾では日本人も将軍号を持つ神様として祀られています。

台南で「飛虎将軍」として祀られる杉浦茂峰少尉(散華時は兵曹長)です。

杉浦少尉は太平洋戦争末期の台湾沖航空戦にゼロ戦で出撃したパイロットでした。

機体に敵機からの銃撃を受け、脱出しようとしたところ、そこは人が暮らす集落。そこでなんとか人がいないところまでゼロ戦を操縦したものの、脱出には間に合わずに散華されました。

杉浦少尉散華から27年後、集落の人々の枕元に日本海軍の将校服を着た霊が立つようになり、保生大帝にお伺いを立てたところそれは村を守って死んだ日本兵であるとのお告げがあり、そこで祠を建てて「飛虎将軍」として祀られるることになりました。


飛虎将軍:台南市鎮安堂飛虎将軍廟

とまあこのように、生前将軍ではなかったけれど将軍として祀られている神様の例は実際にあります。