媽祖誕辰

本日4月23日は今年の農暦3月23日にあたります。
農暦3月23日は、中国南方から台湾、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどの国々で広く信仰される女神:天上聖母媽祖の誕生日です。
この日に合わせ、各地の媽祖廟では媽祖の誕生を祝う祭典が行われます。ただし、横浜中華街の天后宮だけは、旧暦の日付で行われていた伝統行事まで新暦の日付に置き換えて行うという愚かな日本の風習の影響を受けてか3月中に行われています。
世界中で最も媽祖信仰が盛んな国は台湾
媽祖はもともとは宋代に福建の沿岸部で生まれた小さな民間信仰でした。しかし、海の守り神、航海の守り神として信仰される媽祖は、船乗りによって信仰が広められ、南宋のころには皇室より封号を賜るまでになります。
道教はだいたい国に号を贈られたような神様はパクっていくので、南宋から元のかけての間におそらく道教に取り入れられていたのではないかと思われます。
しかし、現代中国においては福建よりも広東、特に香港での信仰のほうが盛んなようです。
中国よりも媽祖信仰が盛んな国は台湾です。台湾で最も古い媽祖廟とされる台南市の全台祀典大天后宮は、鄭氏政権が滅んだ清代初頭の創建と言われます。それを嚆矢として、清代に中国から台湾へ渡った移民たちが、危険な台湾海峡の航海の無事を媽祖に願って、その信仰とともに定住しました。
荒波を超えて生きて台湾にたどりついた人は、それが媽祖の加護のおかげだという実感が強かったのでしょう。媽祖を信仰する移民たちは定着したところに媽祖を祀りました。
台湾の場合、中国の媽祖廟から分霊を受けて最初から媽祖廟として創建されたものもあるけれど、最初はただ中国から携えてきた神像を祀って感謝を捧げるだけだったのが、信仰を集め、媽祖廟に発展したという例もあります。
実際に媽祖によって助かったと信じる人が集まったわけですから、より信仰が篤くなるのもむべなるかな。台湾ではそうして媽祖信仰が代々受け継がれ、単なる航海の女神としてだけでなく多くのご利益を後付けされて、台湾で最も広く信仰される神のひとつとなりました。
媽祖誕辰を祝う台湾のお祭り
道教では神々の誕生日が設定されており、その誕生日を祝う形でお祭りが行われます。
台湾道教においては、お祭りは廟で行われる儀式の他に遶境=パレードが行われます。遶境には神様による地域の巡察という意味もあって、神像が神轎に乗せられ街を練り歩きます。
台湾では媽祖の誕生日に合わせて大小様々なお祭りが行われます。その中でも特に盛大なのが、台中の大甲鎮瀾宮が行う大甲媽祖遶境と、雲林県の北港朝天宮が行う北港朝天宮迎媽祖です。
大甲媽祖遶境は、ディスカバリーチャンネルでクリスマス、ハッジ(ムスリムのメッカ大巡礼)と並ぶ「世界三大宗教盛事」として紹介されました。
毎年この時期に大甲鎮瀾宮を起点として、台中市の南にある彰化県、雲林県、嘉義県までの行程を9日間かけて往復するという一大宗教イベントになっています。
今年は武漢肺炎ウイルスのオミクロン株感染が拡大する中ではありましたが、全行程が無事に行われました。
もう一つの北港朝天宮迎媽祖は、台湾政府により國家指定重要民俗になっているお祭りです。
こちらは毎年農暦3月19日20日に遶境が行われます。今年は4月19日20日でした。今年は遶境が出発する前に行われる盛大な宴「起馬宴」が100年ぶりに復活したことでも話題になっています。
北港朝天宮では本日4月23日にも遶境が行われるとともに、廟前の広場で舞踊などのイベントも行われます。




