TVアニメ『天官賜福』第4話解説

TVアニメ『天官賜福』第4話より
前回の!天官賜福!
私謝憐、太子殿下!羽化登仙したときに天界の建物を壊しちゃった!
そんな私が賠償のために地上のたたりを解決することに!私がたたりを!?無理無理無理だって法力がないんだもん!
與君山で花嫁を次々にさらっていた「鬼花婿」の正体は、人間時代の明光将軍裴茗に捨てられた敵の女将軍宣姫!
男に捨てられた怨念から幸せな花嫁を妬んでさらってたんだ。
宣姫は、明光将軍の子孫の神官・裴宿将軍に捕縛されてつれていかれた!
『天官賜福』第4話あらすじ
鬼花婿の騒動で、太子殿下を助けようとした村娘・小蛍は命を落とし、後には小蛍が食べ物をあたえてかくまっていた包帯少年が残されました。
太子殿下が包帯をとらせると、少年の顔一面に800年前に流行し仙楽国とともに滅びたはずの「人面疫」が現れました。
驚愕した太子殿下を見た少年は山へ逃亡します。
しかし與君山で人面疫流行の報告はなく、太子殿下の見立てでは、すでに治った人面疫が残っているのではないかと。
一度天界に帰還した太子殿下は、霊文に捜索隊の派遣を依頼。
天界では南風の上司の南陽将軍が裴茗に合わせろと騒ぐ宣姫に手を焼き、そして宣姫の事件に青鬼戚容が関わっているらしいとして紛糾していました。
宣姫が地上でたたりをなす力を得たのも青鬼の配下になってからだといいます。
太子殿下が、與君山で会った銀の蝶の美青年について尋ねると、その少年の名は花城。
花城は、鬼の四天王「四大害」の一角。
四大害には、青鬼戚容、黒水沈舟の黒鬼、白衣禍世白無相。
白無相は仙楽国の滅亡に関わっており、すでに死んでいるらしい。
そして最後に天界が最も敵に回したくない鬼「血雨探花花城」でした。
花城はかつて33人の神官の神力を奪い、そして地上で信仰を得ているとか。
なんやかやで神官会議は終わります。
その後太子殿下が霊文を尋ねると、鬼花婿の事件を解決したことに地上で感謝が捧げられ、その功徳によって太子殿下の負債がなくなったことがわかりました。
そして太子殿下は、霊文に地上で道観を建てて自らを祀ると告げて地上に戻りました。
どこかの村のボロ屋を道観に仕立て上げた太子殿下。自らは人間の道士のふりをして自らを仙楽太子として祀るのでした。
でも、訪ねてきた村人に財運や出世運が上がるのかと問われて無理だと告げると、他の神様を祀れと言われる始末。
太子殿下はとりあえず道観の修繕代をかせぐため村々を巡ってガラクタ集めをします。
どうやらガラクタの中にある巻物に、金儲けのネタがあるらしい。
道観へ帰る途中、わらを積んだ牛舎をヒッチハイクすると、そのわらの中には先客がいました。
どう見ても花城です。
『天官賜福』第4話の解説
前回も触れましたけど、固有名詞を中国語を学んでいない声優さんに中国語っぽいカタカナ語で言わせるのやめたほうがいいんじゃないですかね。
四声も発音もデタラメのままなのでわかりづらくてしかたない。
例えば花城は「ホワチョン」なんて呼ばれてましたけどピンインにするとhua1-cheng2。無理やりカタカナにすると「ホワチョン」かもしれないけど、hu音もche音も日本語にないからカタカナ語にするのは無理なんですよ。
「かじょう」でいいじゃろうと。
さて劇中で「鬼の四天王」と言われていた4人の鬼たち。原作では「鬼界的混世魔王」となっています。
何度も言うように「鬼」とは日本語のオニではなく霊のこと。ただ、この作品では力の強い鬼神のような存在のようです。
混世魔王といえば『水滸伝』に登場する樊瑞の二つ名。方術使いとして活躍します。北方水滸伝はこういうケレン味のあるキャラの能力が全部ないことにされててつまんないですよね。
混世魔王とは世界を乱して民に害を与える悪人のこと。初出はおそらく『西遊記』です。
花城は天界の神33柱それぞれが持つ地上の廟を焼き討ちしました。この作品の設定では、地上の信徒が廟でお参りをすると、それが神々の法力になるとなっています。
廟を焼かれた神は力の源を失い神としての力を保てなくなりました。
これは実は実際の道教信仰が反映しています。
古い道教の廟に行くと、内部が線香のすすで煤けて真っ黒になっていることがあります。
それは多くの線香が捧げられたことを意味し、そのすすを掃除すると神威が落ちるのでそのままにしてあるそうです。

すすで黒くなったちょうちんと天井:新北市宰樞廟
4話の最後、牛車の荷台で太子殿下と花城が語らいます。
その中で太子殿下が水神の無渡が水神なのになぜ財運も兼ねるのかと疑問を呈すると、花城は商人が水運の無事を祈って無渡を拝するためだと答えました。
つまり、水神が商人の無事を守ると商売がうまくいき、儲けがあがるから財運も高めてくれるとなったということですね。
現実の道教信仰だと、例えば関聖帝君などがそうです。
関羽は現在の山西省の出身とされます。山西省には塩湖があり、塩商人を多く排出しました。その塩商人たちが、守り神として関羽を崇拝したため、関聖帝君は武神以外に財神としての性格も付与されています。

関聖帝君:横浜市関帝廟






