TVアニメ『天官賜福』第10話解説


TVアニメ『天官賜福』第10話より

半月国の廃墟で魔物と化した兵士たちに捕らえられた太子殿下たち。

処刑のための罪人坑に自ら落ちた太子殿下と三郎は、刻磨将軍と戦うものの、敵が同じ半月妖道だとわかったために一時休戦。

そして太子殿下は刻磨将軍から半月妖道の生い立ちを聞かされます。

そこに、縛めから逃げ出した半月妖道が現れ…

『天官賜福』第10話のあらすじ

半月妖道の裏切りを聞いても、半月妖道が元兵士たちの餌として旅人をおびき寄せていることから、半月妖道と刻磨将軍の敵対を疑う太子殿下。

いやあなた前に半月妖道は自分が襲われないために旅人を生贄にしているっていう説明を天界で受けてましたよね?

そこへ降ってきたのは半月妖道。

前回よくわからなかったんですが、どうも三郎が殺したのは半月妖道が上から落とした兵士たちだったようです。

おまえのせいだと怒る刻磨将軍に、半月妖道はこれで開放されると安堵したように告げ、その場にいた太子殿下たちに目を向けます。

太子殿下は、隠す必要はないと判断したのか、自らを天界の神官だと名乗りました。

もう見捨てられたと思っていたという半月妖道。ということは、天界の介入を待っていたのでしょうか?

そういえば三郎には神官だとは明かしていなかったはずだけど、前回三郎が人ならざる者だと確信したからもう隠さなくてもいいやって感じでしょうか?

半月妖道が太子殿下を外に出すために罪人坑の結界を解くと、そこに扶揺がやってきます。

扶揺の術で罪人坑が照らされると、そこは兵士たちの死体の山。

激高した刻磨将軍は半月妖道を襲撃。

あわやというところで太子殿下が止めに入り、扶揺は刻磨将軍を気絶させました。

そこに至り太子殿下は半月妖道を知己だと気付き「半月」と呼びかけます。

半月は太子殿下を「花将軍」「校尉」と呼びます。

そこで扶揺は、砂嵐から逃げ込んだ洞窟にあった「将軍塚」に祀られていた人物が太子殿下だと気付き、太子殿下もそれを認めました。

200年前、砂漠に迷い込んだ太子殿下は軍隊につかまり兵士とされていました。

このあたり原作では、砂漠に迷い込んだ太子殿下は、一時半月国の近くに住んで廃品集めなどをしていたところ、当時の軍隊は兵士の逃亡が多かったために、兵員補充のために捕まったとなっています。

行きずりの人を拉致して兵士にするというのは実際の中国でも行われていました。まあ、だから弱いんだよねあいつら。

そのまま盗賊退治などをして校尉にまで昇格した太子殿下は、砂漠で半月と出会って食べ物の世話などをしてやっていました。

そして戦乱の中、半月が巻き込まれそうになったのでかばっていたら両軍に踏み潰されたので死んだふりをしていた…

なぜ城門を開けたのか?半月は口を開こうとしません。

扶揺がなぜ商人たちを蝎尾蛇に襲わせたと問い詰めると、言うことを聞かなくなったとの答え。

扶揺はそれを信じず、半月と刻磨将軍を捕縛して連れて行こうとします。

いるよね、こういう真相を解き明かすより自分の仕事が収まるならそれでいいっていうやつ。日本の警察とか。

で、太子殿下はちゃんと真実を見極めようとするほう。

そこに現れる大量の蝎尾蛇。罪人坑の底のみならず、上からも蝎尾蛇が襲いかかり、半月のコントロールは効かないようです。

今回の「天官の学び舎」は新粉細工。日本語訳では新粉細工と紹介されていますが、中国語だと面塑です。

面塑は小麦粉やもち粉などを練って作る人形細工のこと。

面塑は漢代にはあったというので、最低でも2000年の歴史がある文化です。

『東京夢華録』七夕の章には、宋代の東京開封府の七夕の様子が描かれており、そこに

以油麵糖蜜造為笑靨兒 謂之果實花樣 奇巧百端 如捺香方勝之類

油、小麦粉、糖蜜で笑靨兒というお菓子を作った。果實花樣ともいい、そのデザインは様々で技術も巧み。捺香や方勝などの絵柄があった。

とあるのが面塑のことだといいます。日本の飴細工のように、食べられる人形として作られていたようです。

「天官の学び舎」で紹介されていた無形文化遺産(非物質文化遺産)は「上海麺人趙」。

麺っていうのは小麦粉のことで、日本語の麺とは違います。また小麦粉のみならず粉末のことも指し、唐辛子粉のことを「辣椒麺」などと言うこともあります。

面は麺の簡体字です。

麺人趙は、20世紀初頭に北京で面塑を学び、天津で「面人王」と称された趙闊明さんが、1938年に上海でより芸術性を高めて創始された面塑の一派。

2019年に非物質文化遺産に指定されたばかりです。

番組中に登場した張書嘉さんはその3代目にあたります。

張書嘉さんは趙闊明さんとは血縁はなく、趙闊明さんの娘さんの趙鳳林さんに面塑を学んだ人で、現在は「書嘉手芸センター」を設立して国外にも中国の芸術文化を紹介されています。